1948年6月13日は太宰治が亡くなった日です。
太宰治の人生とその魅力
太宰治の作品は、時に「はしかにかかるようだ」と例えられます。
自己破滅型の私小説作家と言われるほど、太宰の人生は破天荒でした。恋愛遍歴、度重なる自殺未遂、薬物依存。正妻と子どもがいながら、愛人との間に子どもを作り、更に別の愛人と入水自殺してしまいます。
しかし世に送る小説は人々の心を捉えます。ハッピーエンドで終わるのは『走れメロス』くらい。『津軽』、『お伽草紙』、『斜陽』、『人間失格』など、人間の影の部分をさらけ出す作品は、まるではしかのように若者の心に刺さりました。今でも根強いファンが多く、私もはしかにかかった1人です。
破滅的な人生だからこそ生まれた太宰治の名言
読み終えると暗~い気持ちになるのですが、なぜか他の作品を読みあさってしまいます。太宰治の作品は依存症に近いかもしれません。私が好きな言葉を集めてみました。
君のような秀才にはわかるまいが、「自分の生きていることが、人に迷惑をかける。僕は余計者だ」という意識ほどつらい思いは世の中に無い。
『パンドラの匣(はこ)』
大人とは、裏切られた青年の姿である。
『津軽』
人を疑い、失敗を繰り返し、臆病になる。それが大人なのかも。
てれくさくて言えないというのは、つまりは自分を大事にしているからだ。
「新ハムレット」
すごくわかる…。
私は確信したい「人間は恋と革命のために生まれてきたのだ」と。
「斜陽」
これを言い切れるのはカッコイイ。
男って、正直ね。何もかも、まる見えなのに、それでも、何かと女をだました気で居るらしいのね。犬は、爪を隠せないのね。
『火の鳥』
今話題のあの人に聞かせてあげたい。
僕は今まで、説教されて、改心したことが、まだいちどもない。説教している人を、偉いなあと思ったことも、まだ一度もない。
『正義と微笑』
思い返すとそうかもしれない。
親が無くても子は育つ、という。私の場合、親が有るから子は育たぬのだ。
『父』
いつまでも子どもにくっついている親が、子どもをダメにしているのかも。
人間三百六十五日、何の心配も無い日が、一日、いや半日あったら、それは仕合せな人間です。
「ヴィヨンの妻」
コロナが流行る前は響かなかった「当たり前の日常」。
また読み返したくなりました。
名言だけ読みたい方にはこちらがオススメです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。