KOHARU日和

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2001年の流行語大賞に選ばれた「米百俵の精神」~今こそ発揮したい哲学

6月15日は「米百俵デー」

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小林虎三郎と「米百俵の精神」そのエピソードとは

小泉純一郎元首相が用いた例えで有名になった「米百俵の精神」。

 

1870年6月15日、支藩三根山藩から長岡藩に米百俵が贈られ、その代金で「国漢学校」が開校しました。記念として1996年に新潟県長岡市が「米百俵デー」に制定しています。

 

幕末から明治初期の頃、長岡藩は戊辰戦争の一つである北越戦争で敗れてしまいます。その結果、財政が逼迫して藩士たちは貧しい生活を余儀なくされました。食べることにも苦労している姿を見て、長岡藩の支藩三根山藩から米を百俵贈られたのです。

 

この時、藩の大参事だったのが小林虎三郎

 

彼は贈られた米を売却し、学校を設立すると言い出します。お腹が満たされると喜んでいた藩士たちは猛反発して抗議しますが、小林虎三郎は、

「百俵の米も、食えばたちまちなくなるが、教育にあてれば明日の一万、百万俵となる」と諭すのです。

 

何という大英断。

頭が下がります。

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米百俵の群像(新潟県長岡市)

米百俵の精神とその後

 

小林虎三郎は藩士達を納得させ、米百俵を売却金して学校を建てました。

 

このによって開校したのが「国漢学校」。現在の長岡市立阪之上小学校、新潟県立長岡高等学校の前身です。洋学局と医学局が設置され、士族だけでなく一定の学力に達した庶民の入学も許可されました。

 

虎三郎の精神は令和になった今でも受け継がれています。

 

アベノマスクと米百俵

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コロナショックが激しかった2020年3月~5月。日本中からマスクと消毒液が姿を消しました。感染を予防するための必需品とあって、ネットでは値段が高騰。数少ないマスクを奪い合い、連日早朝からドラッグストアの前に行列が出来たのは記憶に新しいところです。

 

この時政府は「国民1人につき2枚ずつマスクを配布する」と決断します。いわゆるアベノマスクです。困っている国民を助けるための政策でしたが、反体意見が続出。466億円というお金の使い道に、憤りを覚える国民が多数を占めました。

 

無料でマスクが配布されるのに、いらないと言って怒るのは日本人くらいでしょう。これはひとえに、「米百俵の精神」が国民の心に根付いていた証拠ではないでしょうか。

 

「466億円もマスクに使うのなら、そのお金でコロナ専用の病院を建てた方がよい」

「医療機関に配布し、人工呼吸器など必要なものを充実させた方がよい」

「マスクを配るのではなく、国産のマスク工場を建てたり、既存の工場を広げたりするお金にした方が良いのでは」

など、様々な意見が飛び交いました。

 

結果はどうあれ、そのように考えることのできる人が沢山いることを、日本人として誇りに思います。

まだ家にはマスク来ないけど…。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。